Takonosuke’s diary

 editor&writer バラの庭作り、そして釣り。東京ときどき信州在住。

1キーボードには全身でぶつかってきた


すべては親指シフトから始まった

 恥ずかしながら、タコの介はキーボード・フリークである。万年筆につづいて、いったいいくつのフリークがあるんだ。とお思いでしょうが、お教えできません。恥ずかしいから。

 じつは今日も新しいキーボードが届いた。待望のNiz75EC(S) Pro。チャイナの数少ない静電容量無接点方式のキーボードだ。何のことか分からない人は、飛ばしてください。ともかく、キーボードを買うのは、これきりにしようと思う。

 

 タコの介がキーボードフリーク(助かる言葉。オタクと言わなくてもいい)になったのには、しかたなくなったという側面もある。理由は後で。

 

 ことの始まりは、ワープロ黎明期にタコの介が他に先駆けてワープロで原稿を書き始めたことによる。タコの介がいた雑誌編集部では、みんな机にしがみつくようにして手書きでシコシコと原稿を書いていた。

 

 そのときタコの介が使いだしたワープロは、富士通のN100という大型のデスクトップのもので、キーボードは親指シフト。ここからタコの介のうん十年に渡る親指の旅が始まった。それはローマ字入力者には分からない苦難の旅でもある。

 

 親指シフト入力は、50音のかなすべてをワンストロークで打てるというのが売りだ。これがどんなメリットになるのか。一番は入力スピードが速くなる。ローマ字だと、かな1音を打つのに2ストロークかかるからだ。

 

 だから、作家やタコの介のような文章書きには親指シフト愛好者がいる。「指から文章が流れ出るように打てる」と言われた。打ってて楽しい。文章に集中できる。疲れない。

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東プレ NG0100 REALFORCE91U (¥21,479 Aamazon)この機種が最後に残った。

静かで軽いキーボードはないか?

 そのかわり、親指シフトはワンストロークを実現するために、複雑なシフトをする。問題はここで、そのシフトのために特別な親指キーが必要となる。


 かつては親指シフト専用のキーボードがあった。だが、今では完全に消滅している。そこで既存のキーボードの中から探すことになる。


 選択の第一は、スペースキーが短いこと。このスペースキーが親指シフトの役割をする。できたらスペースキーと他のキーがBとNで別れて並んでいてほしい。だからスペースキーの長いUSキーボードは最初から全部アウトだ。

 

 親指シフターは軽やかにキーを打つために、ひとつひとつのキー荷重(打つキーの重さ)は軽い方がいい。キーは表面を軽く撫でるように打ちたい。カチッとしたクリック感のあるキーは使いたくない。と、注文が多くなる。


 こうなると、親指シフターが使えるキーボードはごく限られてしまう。そのなかで抜群の人気なのが、静電容量無接点方式のキーボードだ。軽くて静かなキーボードの代表格である。一生モノだが2万円以上と高価だ。


 こうして、親指シフターは必然的にキーボードに敏感な身体になってしまう。これがタコの介がキーボードフリークになった、ひとつの理由だ。

 

 何十年にも渡ったタコの介のキーボード探しの旅も、そろそろ終着を迎えようとしている。いま、一生付き合えるキーボードが3種類ほど残った。これで十分だと思えるようになった。


 タコの介の死ぬまでの残された時間も、そんなに多くはない。どんなキーボードが残ったのかは、またあらためて。といっても、すぐに書こうと思っているが。

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FILCO Majestouch MINILA JP68 絶版。気分転換に使っているメカニカルキーボード。茶軸。日本語入力は月配列Ù9。