椎名誠から本が届いた
旅する作家の心にしみる家族の物語と写真
椎名さんから本が届いた。「世界の家族 家族の世界」(新日本出版社)
辺境地を中心とした世界各地の家族を訪ねた本。写真家シーナのさりげない温かい写真も見どころだ。
椎名さんが訪ねた先は17地域。モンゴル、アマゾン、チベット、ニューギニア、パタゴニア、北極圏、キルギス、ラオス、アイスランド、信州など。ずらっと並べただけでも「お疲れさま」と声をかけたくなるようなラインナップだ。辺境への旅心も読む人を刺激する。
写真のほとんどが家族の集合写真。それも食事風景が多い。やはり、家族が寄り添って絆は深めるのは、食事なのだということを写真は確かに伝えてくれる。
その中に、たった一ヶ所日本の信州の里山が紹介されていた。ほかに日本では伊豆諸島の青ヶ島がある。信州はタコの介の故郷だ。タイトルは「長野県のある限界集落」。人口が極端に減少して、残っているのは老人ばかりという取り残された家族かと思ったら、全国から若い夫婦が移住してきて、新しいコミュニティができ上がっているという話で希望がわいた。その集落は長野県の信州新町信級。
肝心の家族の物語だが、さらっと短い文章で終わっている。詳しい家族の肖像は改めて筆を起こすようだ。雰囲気たっぷりの写真と家族の優しさに迫った椎名誠。世界各地を歩き、齢を重ねた者にしか表現できない世界である。
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