Takonosuke’s diary

 editor&writer バラの庭作り、そして釣り。東京ときどき信州在住。

八重の紅梅が咲いていた。突然、好きな人に本を譲ろうかと思った。

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積ん読、未読。読み終わった本。いずれも愛おしいわけだけれども

 

■いらなくなった本は捨てる

タコの介の座り机の周辺には積んでいる本が多い。そこにまた本が届く。これは負の連鎖というか、富の連鎖かもしれない。なんてバカなことを思ったりしている。

でも、少しでも本は読んでいるので、読み終わった本たちも行き場所がなくさまよっている。彼らもなんとかしないと。

タコの介はいらなくなった本は、思い切って捨てることにしている。一時はあんなに愛していたのに、なんと非情なと思うかもしれない。でも、これはタコの介のちょっとカーブの掛かった愛情なのだ。

もったいない。ブックオフやネットの古本屋があるだろう。ごもっとも。おっしゃる通り。でも、こうした古書店の買取価格を知ってます? 引越しでちょっと多めに処分する本が出たので、ブックオフのお兄さんを呼んだことがある。結果は単行本も文庫本も一冊10円から30円。人気の新刊本なんかは違うだろうけど、ちょっと古くなった本はそんなものだ。

ネットの古書店の話だと、送られてくる本の半数は廃棄処分されているという。だとしたら、自分も古書店も無駄な人件費をかけるのはやめようとタコの介は思ったのだ。すっぱり燃えるごみになってもらおう。

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八重の紅梅 梅の花は美しく咲いて静かに散ってゆく

 

■古本は著者を育てない

もうひとつ、タコの介がいつも気にかかっているのは、本を書いた著者の利益をどう考えるかということだ。古本屋を通して一冊の本を複数の人間が読みまわす。何人読んでも筆者には一冊分の印税しか入らない。古本屋もこの問題はスルーだ。タコの介はこの状態を著作権者はよく黙っているものだと思う。

JASRAC日本音楽著作権協会)は調査員を使って徹底的に著作料を徴収している。ひるがえって、出版物の著作権の大らかさはどうだろう。そこには、出版物は文化の担い手だという伝統的な自負心があったのは否定できないけど。

同じような懸念は我が愛すべき図書館にもある。今の図書館は利用者のサービスに力を入れている。それはいいのだが、利用者のリクエストが多いからといって、ベストセラー本を何十冊も購入する必要があるのだろうか。

利用者も利用者で、ベストセラー本こそ自分で買うべきだと思う。書店には平積みされているのだから。それをリクエストして何ヶ月も順番を待っている。そこに読者はいるのに買ってはくれない。本の著者はたまったものでないだろう。

タコの介としては、大量に購入するベストセラー本の資金を、個人では買えない稀覯本とか郷土史などの手に入りにくい本に使ってほしいと思ってる。

最後に古書に戻る。タコの介も古書にはずいぶんとお世話になっている。それを本は古本屋に出すな。燃やしちまえ。と過激に扇動したのはどいつだ。ということになるのだが、どうしよう。これは結論の出ない悩ましい問題である。

せめてごみにしないで、表題のように「好きな人に本を譲ろう」か。