Takonosuke’s diary

 editor&writer バラの庭作り、そして釣り。東京ときどき信州在住。

宮古島には「年金通り」というスナックの集まる場所があるらしい。これが、なかなかたどりつけない訳なんだけど。

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砂山ビーチ。白砂の山道を越えてたどり着く魔法のビーチ。あるのは白い砂浜とエメラルドの海。

■タコの介は決然と動き出した

3月の初旬、タコの介は沖縄本島の南300キロ、宮古島にいた。
宮古島は沖縄の中では4番めに大きな島で、人口は5万人を超える。意外と人口が多い。地形は平坦で山がないので川もない。川からの土砂の流入がないために海の透明度が高く、ヒーチの美しさには定評がある。

滞在は沖縄の赤瓦の古民家風のコテージに3泊した。門の上ではシーサーが見守り、低いサンゴの石垣にはピンクの花のブーゲンビリアが絡まっている。
 さて、宮古に来たはいいが、なんか目的があったわけではない。一日だけ宮古やその離島のビーチ廻りをして、その感動のあまりもう出歩かずに古民家風でぐうたらと青い空だけを眺めていた。

畳に寝っ転がって本を読んでいると、米国はワシントンDCからやってきたタカが大変重要な情報を持って来た。

宮古には年増のママがやっているスナックの通りがあるらしいよ」 

タコの介はいつも旅に出たら、その地のスナックのドアを開けたいと思っている。カウンター越しに、ママさんと地元の訛りまじりで世話話をしたい。

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2015年1月31日、沖縄・宮古島伊良部島を結ぶ「伊良部大橋」が開通。無料で渡れる橋としては日本最長の3540mを誇る。青い海を突っ切る。

 

■ちゃんと案内してよ

よし、そのタカの話に乗った。タコの介が宮古に来て初めて自ら動き出した瞬間だ。するとミュージシャンのザコが「俺の知り合いが飲み屋をやってるから、そいつにスナックを紹介してもらおう」と話はトントンと進んだ。

ところが、ものごとはそう簡単にはいかない。なにを思ったかその飲み屋のオヤジ、タコの介たちに紹介したのは、きれいな若い尾根遺産がいる店だったのだ。ソファーの両側に尾根遺産が座り、標準語で話しだした。つまり、そこはキャバクラだった。

4人くらいのキャバ嬢とひと通り話したあと聞いた。
宮古歴どのくらい?」
2カ月、1年半、3年。出身も福岡、長崎、広島、東京。全員が内地。なんとタコの介の隣りは同郷の信州ではないか。カウンター席にぽつんと座り、地元言葉で世間話をしてくれる40歳後半のちょっと疲れて後れ毛のあるママとの会話は絶望的となった。

「信州のどこ?」
長野市
一番話したくない。
「信州弁でズラとか言う?」
「いいません」

なんで俺は南国の楽園、宮古島にまで来て、信州の子に気を使いながらくだらない話をしなくちゃならんのだ。俺は40後半の憂いのあるママとカウンター越しに話をしたかったんだ。元はと言えば、あのやけに調子のいいザコの音楽仲間のオヤジの陰謀から始まった。

「年金通り」というとても奥深い名前の場所にあるスナックのママ。ママァー!

逢えずにごめん。

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赤瓦の古民家。シーサーはお友だち